高血圧対策に『レモン』

1日半個から1個のレモン果汁を摂ると、高血圧が改善し、 メタボリックシンドロームを防ぐと判明。


■日本一のレモン産地で疫学調査を実施

レモンの酸味のもとは、クエン酸と呼ばれる有機酸です。レモンにはこのクエン酸がミカンの5〜6倍含まれていて、 細胞内では、エネルギー産生の際に重要な役割を負っています。 また、クエン酸には、カルシウムなどのミネラルを取り込みやすくさせる働き、 いわゆる「キレート作用」があることがわかり、注目されています。 さらに、レモンにはビタミンCが多いことは皆さんもご存じでしょう。 ビタミンCは、体に有害な活性酸素を抑える効果や、 メラニン色素の生成を抑制し、美白効果をもたらすことがよく知られています。 レモンに含まれるレモンポリフェノールは、血液中の脂質を改善する働きがあります。

このようなレモンのさまざまな効果については、これまでも報告されてきました。 しかし、実際に日常的にレモンを摂取した時、どのような効果が期待できるものか、こうした面からの研究は、 これまでほとんどなされてきませんでした。 近年、ミカンの摂取による生活習慣病率を、6000人規模で調査するアンケートが実施されています。
その報告によると、ミカンを毎日摂取したグループは、高血圧、糖尿病、心臓病の有病率が有意に低いとされています。 柑橘類に含まれるカロチノイド類には、血管が詰まって起こる心筋梗塞や脳梗塞などの病気に対する予防効果や、 血液中の脂質改善効果が期待できるのです。この調査で、そうしたことが疫学的(統計学的手法を使って病気の起こり方を 調べる学問)にもわかったわけですが、ここで目をレモンに転じてみると、どうなのでしょう。


■30ミリ近く血圧が下がった人もいる

広島県瀬戸内地区は、日本一のレモン産地です。この地区の人たちがレモンを食生活の中に取り入れれば、 地域の人々の健康維持に役立つのではないかと考え、レモンの健康効果を調べる疫学調査を実施しました。 これが2008年のことです。 この調査は、瀬戸内地区に住む、健康な中高年女性111人(平均年齢60歳)が対象です。 皆さん、レモン栽培に従事している農家の人たちで、日常的にレモンを摂る機会が多く、 レモンの健康効果を調べるのには最適な人たちでした。 これらの人たちに、2008年9月〜2009年2月までの半年間、レモンの摂取量を記録してもらいました。 そして、半年後の終了時に、1日当たりのレモン果汁の平均摂取量に応じて、高値群(レモン果汁30ml以上)、 中間群(15ml以上30ml未満)、低値群(15ml未満)の三グループに分類し、各グループで、血圧や血液成分の数値を測定、 調査前と比較しました。

この結果、最大血圧については、中間群と高値群が、調査前より2〜3ミリ下がっていることがわかりました。 なかには、30ミリ近く最大血圧が下がった人もいたのです。 ちなみにこの調査では、血管が収縮し、血圧が上がりやすい冬に行われました。 この時期にこうした結果が現れたのです。低値群の中には、最大血圧が高くなる人も見受けられました。 さらに、高値群では、「脈波伝播速度(心臓からの拍動の波が血管壁を伝わる速さ)」が遅くなりました。 これは、動脈硬化で硬くなった血管が、柔らかくなったことを示しています。