高血圧対処術「湯たんぽ」【体を温めると血圧は下がる】

湯たんぽで二の腕を温めると血圧が正常化!
190mmHgが120mmHgに下がり安定。


■二の腕が冷たいと血圧が上がりやすい

高血圧と体の冷えは、密接に関係しています。体が冷えてくると、動脈が収縮し、血液の循環が悪くなります。 すると心臓は、血液循環量を増やそうとして、たくさんの血液を送り出します。 細くなった血管に、無理やり血液を流すので、結果として、血圧が上がってしまうのです。

体の冷えが健康に及ぼす影響は、血圧だけではありません。 免疫力の低下を招き、さまざまな病気や不快症状の引き金になります。 だからこそ私は、診療に来た患者さんにはまず体の冷えを取り除くことを勧めています。 皆さんもまず、自分の体が冷えているかどうかを次の要領で確かめてください。 起床時、わきの下に手を差し込んで、温度を確認します。 そして、その温度を基準に、おなか、お尻、太もも、二の腕の温度と比較するのです。 それらの部位が、わきの下の温度よりも低いと感じたら、あなたの体は冷えていると考えていいでしょう。

冷えを解消するには、体の表面から筋肉を温めることが効果的です。 人間の活動を支える熱エネルギーは、食物を消化・吸収するときや筋肉の運動によって産生されます。 それが、血流によって全身に運ばれます。ところが、筋肉が冷えて働きが弱まっていくと、 熱エネルギーの産生量が減り、血流も停滞しやすくなります。 その結果、体はどんどん冷えてしまうという悪循環に陥ってしまいます。 つまり、「体の冷え=筋肉の冷え」なのです。

体を温める手段としては、『湯たんぽ』がお勧めです。 湯たんぽは、体にふれる面積が広く、熱エネルギーが高いため、効率的に体を温めることができます。 高血圧に悩んでいる方は、二の腕を集中的に温めるのがよいでしょう。 二の腕全体が湯たんぽに接するように置いてください。 血圧を測定する際は、上腕部、つまり二の腕にカフ(袋状のベルト)を巻き付け、上腕動脈の血圧を測るのが一般的です。 二の腕が冷たいと、どうしても、上腕動脈は収縮してしまうので、測定結果に影響します。 また、二の腕には、日常生活ではほとんど使わない筋肉があります。 ここを温めて血流を増やすと、高い効果が期待できます。



■降圧剤も止められてよく眠れると大喜び

「湯たんぽが手元にない」「なかなか時間が取れない」「もっと簡単な方法がいい」という人は、 二の腕を揉むようにマッサージしてください。 二の腕を揉むだけで、湯たんぽと同等の効果が望めます。 二の腕を揉んで、ポンプのように血液を押し出してあげれば、血圧の降下が期待できます。 やり方は、とても簡単です。二の腕の筋肉を逆の手のひらで上下につかんでください。 これを肩の方から肘に向かって、10回ほどまんべんなくマッサージしていきます。 この一連の動作を両腕とも一日一回行ってください。 痛みを感じない程度の強さで、乳搾りのように、血液を押し出すことをイメージするとよいでしょう。

とても簡単な方法ですが、その効果は絶大です。一回揉むだけで、なんと約200ミリリットルもの血液が押し出されます。 実際、私のクリニックの患者さんでも、体を温めることで、高血圧が改善したケースが多々あります。 その中でも、特に効果があった例を一つご紹介しましょう。

Aさん(初診時63歳・女性)は、平成18年1月に私のクリニックを訪れました。 その時、最大血圧は190mmHg、最小血圧は150mmHgもあり、降圧剤を飲んでいたのです (正常値は、最大血圧が140mmHg以下、最小血圧が90mmHg以下)。 診察をしてみると、Aさんの体もやはり冷え切っていました。 平熱は35度で、足の甲は25度、足先は20度しかありませんでした。

そんなAさんが、湯たんぽなどで体を温めるようにしたところ、二か月後には、最大血圧が110mmHg、最小血圧が60mmHgになりました。 さらに一か月後には、最大血圧が120mmHg、最小血圧が80mmHgで安定するようになりました。 降圧剤も止められて、よく眠れるようになったと大喜びしていました。 低かった足の温度も、足の甲が33度、足先は28度まで上昇したのです。

高血圧で悩んでいる方は、体を温めて、血流を高めることが重要です。 そのために、湯たんぽや二の腕のマッサージを是非お試しください。