高血圧には、まず減塩

高血圧を引き起こす生活習慣の中でも特に気を付けたいのは、塩分の摂りすぎです。 日ごろの食事の塩分量をよく知り、減塩食品を活用するなどして、減塩生活を心がけましょう。


■高血圧と塩分の関係

塩分の摂り過ぎで血液量が増えて、血圧が上がる

私たちの体は、塩分と水分が一定に保たれるように調節機能が働いています。 血液中に含まれる塩分の濃度も、常に約0.9%と一定に保たれており、それよりも濃度が高くなったり、低くなったりすると生命活動を続けることができません。 この調節機能を担っているのが、腎臓です。食事で塩分を摂りすぎると、腎臓は余分な塩分を濾過して、水分と一緒に尿として排出し、塩分濃度を調節します。 塩分を摂り過ぎれば、それだけ腎臓の負担が大きくなります。 ”辛いものを食べると喉が渇く、水が飲みたくなる”のは、血液の塩分濃度を0.9%に保つために体内の水分を増やそうとするためです。 これにより血液量も増え、血管の中の圧力、すなわち血圧が上がります。 この上がった血液を利用して、腎臓は水と塩分を尿として体の外に出し、バランスを取ります。 このバランスが取れずに血液量が増え続ける、つまり、腎臓が処理しきれないほどの塩分を摂りすぎていると、血圧の上昇が続き、 そして長期的には、上がった血圧が血管や腎臓を傷めて、さらに血圧を上げるという悪循環になってしまうのです。 厚生労働省の基準では、1日の塩分摂取量を健康な男性なら8.0g未満、女性なら7.0g未満に抑えるよう、推奨しています。 高血圧のある人の場合、日本高血圧学会では、男女とも6.0g未満に抑えることを推奨しています。 しかし、実際の塩分摂取量の平均は男性は1日11.0g、女性は9.2g。以前に比べると日本人の塩分摂取量は減っていますが、まだまだ多いのが現状です。


■減塩の取り組み

減塩しやすい環境づくりを進め、効果が出ているケースもある

高血圧の予防・改善には、運動や減塩などの生活習慣の改善が欠かせません。 運動は自分に合った運動を日常生活の一部に取り入れ、続けます。医師とよく相談し、無理のない範囲内で行いましょう。 生活習慣の改善の中でも第一に取り組んでほしいのが減塩です。 一人一人の心がけや努力が大切な一方、行政や企業などが、減塩しやすい環境づくりに取り組んでいる例もあります。
イギリスでは、国の政策として、食品メーカーに対し、加工食品に含まれる食塩の量を減らすよう商品ごとに数値を定め、その達成を求めました。 その結果、イギリス国民の血圧が下がったり、脳卒中や心筋梗塞の死亡率が低下するなど、大きな成果が上がりました。 これは行政機関を筆頭に食品メーカーなどが一丸となって、時間をかけて少しずつ塩分を減らすという対策をとったことで、 消費者が気付かないうちに自然に減塩でき、病気の予防・改善につながった例です。 このように高血圧になりにくい社会の仕組みや環境を作っていくことも必要だと考えられます。