高血圧症の合併症

高血圧症の合併症には、脳梗塞・脳出血・認知症(ボケ)・狭心症・心筋梗塞・大動脈瘤・大動脈解離・ 糖尿病・腎硬化症・腎不全・むくみ・頻尿・閉塞性動脈硬化症など命に関わる病気があります。 また、高血圧症が進行すると、こうした恐ろしい合併症とは別に、頭痛やむくみ、めまい、耳鳴り、肩こり、 腰痛などのうっとうしい、さまざまな不快症状が起こったり、老化が早まったりします。


■命に関わる病気から肌の老化まで招く

高血圧症が怖いのは、その進行に伴ってさまざまな合併症が引き起こされることです。 高血圧症と、血管の老化ともいうべき動脈硬化は、互いに悪循環を招く関係にあり、どちらか一方が進行すると、もう一方も同じように進行します。 その結果、血栓(血液の塊)が脳や心臓の血管に詰まる「脳梗塞」「心筋梗塞」、 脳の血管が破れる「脳出血」、そのほか「大動脈瘤」など命に関わる深刻な合併症を招きます。 また、血圧の上昇に伴って腎臓の動脈硬化が進行すると、「腎不全」に陥って人工透析を余儀なくされる場合があります。 これらの病気は、死に直結し重い後遺症を残す恐れも大きいので、要注意です。

さらに、高血圧症が進行すると、こうした恐ろしい合併症とは別に、さまざまな不快症状が起こったり老化が早まったりします。 高血圧症によって動脈硬化が進むと血流が悪くなり、全身の新陳代謝が衰えると共に、 体のさまざまな部分に老廃物や疲労物質が蓄積し、内臓の働きも低下します。 その結果、頭痛やむくみ、めまい、耳鳴り、肩こり、腰痛などのうっとうしい不快症状が引き起こされるのです。 高血圧症が進行すると、老化も早まります。特に髪や皮膚といった細胞の新陳代謝が活発な部分は顕著で、 白髪や抜毛、肌のシミ、シワ、タルミ、乾燥肌などの老化現象が現れます。 また、中高年になると増える頻尿も、高血圧症による動脈硬化の進行で、腎臓や前立腺の働きが低下した結果だといえます。 そのほか、血圧が高くなると、目の奥にある網膜の血管も破れやすくなり、 眼底出血を招いて「著しい視力低下」や「失明」にいたることも多いのです。

よく「人は血管から老いる」といわれますが、高血圧症は人間の老いを早める最も有力な原因といってもいいでしょう。 逆に言えば高血圧症をうまく予防・改善できれば、その人は体の内側だけでなく、外見も若々しくいられるわけです。 最近になって、欧米だけでなく日本でもアンチエイジング(抗加齢)医療が注目を集めています。 高血圧症の予防・改善のための取り組みは、結果的にアンチエイジング医療の切り札といえるかもしれません。


◆高血圧症が招く主な病気や症状

▼脳
脳梗塞・脳出血・認知症(ボケ)

▼心臓
狭心症・心筋梗塞

▼脳・腹
大動脈瘤・大動脈解離

▼膵臓
糖尿病

▼腎臓
腎硬化症・腎不全・むくみ・頻尿

▼目
眼底出血・視力低下

▼足
閉塞性動脈硬化症

▼その他
頭痛・耳鳴り・肩こり・腰痛・白髪・抜毛・シミ・シワ・タルミ・乾燥肌

●死を招くのに高血圧症を軽視している人が大半

このように高血圧症には、合併症による深刻な危険が常に付きまとっているのです。 にもかかわらず、高血圧症自体はほとんど無症状のため、治療を受けずに放置したり、 薬の服用を怠ったりする人が少なくありません。 しかし、高血圧症は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」と呼ばれるように、 私たちに不気味に忍び寄り寿命を縮めてしまう、大変怖い病気なのです。 ところが、高血圧症の危険性に対する一般の人たちの認識は低く、総理府の調査では糖尿病を「怖い病気だと思う」 人が71%いるのに対し、高血圧症のそれは52.5%に過ぎません。 自分の身を守るために、まずはそうした意識をぜひ改めるべきです。